国交省と厚生省に要請行動

  組合は昨年に引き続き要請行動を行い、1月15日に参議院議員会館に於きまして関係各省と交渉を行いました。





以下に要請内容を記載します。

「国土交通省」

公営バス事業に関する要請書

 交通政策基本法の理念に基づき、住民の福祉向上、地域の活性化のため地方公営交通の財政健全化、バス労働者の過重労働解消などを実現するため、以下の事項を要望します。

1.規制緩和による民間企業の路線バスへの参入は、公営バス事業の優良路線のみが民営バスに奪われる悪循環を招き、結果として財政悪化が進み、地域の足、特に過疎地の住民の足を奪う結果となっている。規制緩和政策を改め、地域公共交通の確保・維持・改善のための補助金の充実を行うこと。

2.規制緩和による民間企業による路線バスへの参入は、コスト優先による運営によって、整備不良や労働強化、運転手の使い捨てやレベルの低下を招き、乗客の安全の面からも改善すべきものであり規制緩和政策の見直しを行うこと。

3.労働大臣告示「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(平成元年労働省告示第 7 )が、実態として路線バス運転手の過酷な勤務を許す温床となっていることを認識し、事業を所管する国交省として厚労省に改善の働きかけをすること。

4.過酷な勤務実態の中で、運転者の疾病率は高く、また、過労運転など乗客の安全管理の面からも深刻な事態となっている。事業者に対して労働環境改善の指導を強化すること。

5.バス運転者の専門性、また変則勤務の特殊性を考慮した労働条件の改善を行うため対策を行うとともに、関係省庁や事業者に働きかけること。

6.非正規職員と正規職員の労働条件の差を解消するよう国交省として事業者や関係省庁に働きかけること。特に非正規職員の賃金は子育てなどを担う現役世代、60歳無年金世代にとって重要な課題であり、人材確保の面からも現場の実態調査を行い改善に向けた対策を行うこと。

7.大型二種免許保有者数は高齢化と取得者数の減少が進み、20代のバス運転手は全体のわずか2%となり、今後の事業運営に支障を来す状況となっている。若い人材確保のため、正規採用を前提とした養成制度などに対して国交省としても補助・支援などの具体策を主体的に取り組むこと。

以上

「厚生労働省 」

公営バス事業に関する要請書

1.労働大臣告示「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(以下「基準」)の中において、路線バス、観光バス、高速バスなど様々なバス運転業務形態があるにもかかわらず一括に扱った「基準」となっており、実態の調査とともにバス運転業務形態の区分に応じた基準の改正を行うこと。

2.「基準」の中において、「拘束時間終了から次の拘束時間までの休息期間を8時間以上」と定められた労働条件は、通勤時間等を考慮すると睡眠時間さえ確保できないものであり、ILO勧告に従い「11時間以上」に改善を行うこと。

3.「基準」の中における、「連続運転時間は4時間が限度」については、高速バスなどの運転手を想定したもので、路線バスにおいては実態に則したものといえず、2時間の連続運転に対し30分以上の休憩時間を取らせるよう改善を行うこと。

4.公共交通におけるバス運転手の非正規化が拡大し、その構成比は正規雇用を超える事業体もあり、かつ勤務実態は正規職員と同等となっている。労働契約法、パート労働法や労働者派遣法の主旨にのっとり、正規職員・無期契約への転換促進、不合理な労働条件の禁止などについて、事業体に対し指導を徹底すること。

以上