国土交通省と厚生労働省に要請行動

 1月13日-14日

 3回目となる省庁要請行動に参加しました。

 国土交通省との交渉では、各単組それぞれの立場で質疑応答を行い当組合は赤字路線の現状を訴え、公営交通の継続的な維持運営に関して国土交通省の考えを引き出し、今後どの様な対策をとっていくべきかの提言を行っています。

2017113

国土交通大臣 

石井 啓一 

日本自治体労働組合総連合

公営企業評議会

議 長  植本 眞司

 

公営バス事業に関する要請書

 

 交通政策基本法の理念に基づき、住民の福祉向上、地域の活性化のため地方公営交通の財政健全化、バス労働者の過重労働解消などを実現するため、以下の事項を要望します。

 

1.規制緩和による民間企業の路線バスへの参入は、公営バス事業の優良路線のみが民営バスに奪われる悪循環を招き、結果として財政悪化が進み、地域の足、特に過疎地の住民の足を奪う結果となっている。規制緩和政策を改め、地域公共交通の確保・維持・改善のための補助金の充実を行うこと。

 

2.規制緩和による民間企業による路線バスへの参入は、コスト優先による運営によって、整備不良や労働強化、運転手の使い捨てやレベルの低下を招き、乗客の安全の面からも改善すべきものであり規制緩和政策の見直しを行うこと。

 

3.労働大臣告示「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(平成元年労働省告示第 7 )が、実態として路線バス運転手の過酷な勤務を許す温床となっていることを認識し、事業を所管する国交省として厚労省に改善の働きかけをすること。

 

4.過酷な勤務実態の中で、運転者の疾病率は高く、また、過労運転など乗客の安全管理の面からも深刻な事態となっている。今回の法改正による「運転者が疾病により安全な運転ができないおそれがある状態で事業用自動車を運転することを防止するために必要な医学的知見に基づく措置」を、事業者に対して罰則も含めた強制力を持つものとするなど労働環境改善義務を強化すること。

 

5.バス運転者の専門性、また変則勤務の特殊性を考慮した労働条件の改善を行うため対策を行うとともに、関係省庁や事業者に働きかけること。

 

6.非正規職員と正規職員の労働条件の差を解消するよう国交省として事業者や関係省庁に働きかけること。特に非正規職員の賃金は子育てなどを担う現役世代、60歳無年金世代にとって重要な課題であり、人材確保の面からも現場の実態調査を行い改善に向けた対策を行うこと。

 

7.大型二種免許保有者数は高齢化と取得者数の減少が進み、20代のバス運転手は全体のわずか2%となり、今後の事業運営に支障を来す状況となっている。若い人材確保のため、正規採用を前提とした養成制度などに対して国交省としても補助・支援などの具体策を主体的に取り組むこと。

 

8.バリアフリー化のための国の支援策を更に推進するとともに、停留所等のスロープ化、円滑な運行を阻害する停留所における違法駐停車車両の対策を関係省庁に働きかけること。

 

以上

 

 厚生労働省との交渉で当組合は、終業時間から始業時間の、いわゆる8時間問題を取り上げ、運転士を守る為に作成された「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」が、逆に運転手を追い込む方向に利用されている事を訴え、早期改善を要求しました。

 

2017113

厚生労働大臣 

塩崎 恭久 

日本自治体労働組合総連合

公営企業評議会

議 長  植本 眞司

 

 

公営バス事業に関する要請書

 

1.労働大臣告示「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(以下「基準」)の中において、路線バス、観光バス、高速バスなど様々なバス運転業務形態があるにもかかわらず一括に扱った「基準」となっており、実態の調査とともにバス運転業務形態の区分に応じた基準の改正を行うこと。

 

2.「基準」の中において、「拘束時間終了から次の拘束時間までの休息期間を8時間以上」と定められた労働条件は、通勤時間等を考慮すると睡眠時間さえ確保できないものであり、ILO勧告に従い「11時間以上」に改善を行うこと。

 

3.「基準」の中における、「連続運転時間は4時間が限度」については、高速バスなどの運転手を想定したもので、路線バスにおいては実態に則したものといえず、2時間の連続運転に対し30分以上の休憩時間を取らせるよう改善を行うこと。

 

4.公共交通におけるバス運転手の非正規化が拡大し、その構成比は正規雇用を超える事業体もあり、かつ勤務実態は正規職員と同等となっている。非正規職員に対する賃金や休暇などの労働条件などについては総務省通知(総行公第59号 平成26年7月4日)に基づき改善すべきものであり、事業体に対し指導を徹底すること。

 

以上